幕末の日本とイラクの現状を比較している。「サトウや、リーズデール卿ABミットフォードの日記を読むと、生麦事件や東禅寺事件(英国公使館襲撃)などの外国人殺害が、どれだけ彼らにとって深刻な事態だったかが、ひしひしと伝わってくる。サトウの日記も前半は特に、一連の外国人襲撃を中心に、いろんな出来事が展開している感じだ。日本人として幕末史を学ぶと、ほかにも重要なことがたくさんありすぎて、外国人襲撃を最大重要事項のひとつに位置づけないと思うけど、非・日本人の目で当時を眺めると、全く違う日本の姿が浮かび上がってくる。大小の刀を差した武士が外国人にとってどれだけ恐ろしい存在か、サトウは何度も強調している。大小をカラシニコフに置き換えれば、今のイラクでの状況と何も変わらない。それでも欧米人は幕末日本を訪れた。ビジネスチャンスを求めて。そして今、大勢の外国人がビジネスチャンスを求めてイラクにいる。いつ自分が拉致されて首を斬られないとも限らないのに。私は全く持ち合わせていない指向性やエネルギーなので、価値判断は完全に抜きにして、単純にすごいことだと思う。外へ外へと向かっていくそういうエネルギーがなかったら、人類はいまだに洞窟の中で暮らしてたんだろうか。」