kikuta2005-09-26

再度モリゾーについて。
「閉幕時にはモリゾーの目が優しくなっているといいですね」という話があったが、昨日万博が閉幕した。当初の予定通りモリゾーとキッコロ海上の森に帰っていく、というイベントが行われた。キッコロの純粋さに触れて、モリゾーは人間に対して認識を新たにするのか、とテレビを見ていたのだが、あの目の形は決して変わっていなかった。しかし今朝、新聞を見て心臓が止まるほど驚いた。モリゾーが泣いているのだ。写真だとわかりづらいが、右目(向かって左の目)の下にははっきりと白いものが見える。

もちろんこれは光の加減なのだろう。だがキッコロの親、即ち我が子を殺されたモリゾーの無念さと人間に対する怒りを思ったとき、この涙を流した(ように見える)モリゾーは少なくない人間の森に対する気持ちを理解してくれたのではないだろうか。

最後、風船のモリゾーが森に消えていく。その目はやはり優しい目ではなかった。本当に人間が信頼に足る存在か、これからも見ているぞ、とでも言うようにじっとこちらを見ていた。そのまっすぐな視線に、たじろいだ。