具体的な事件を挙げて、この少年に対する処遇を問うと、ほとんどの生徒が厳罰を望む。それは人間本来が持っている原初的な正義感であり、健全なことである。だが一方でそれは「やられたらやり返す」的な復讐感情とも通ずるものがある。またそれは、これまで彼らが「悪いこと」をし、叱られ続けてきたせいかもしれない。正義感を持続しつつも感情に振り回されずその先に行く。それは理性を育てることにほかならない。それは実は平和教育なのだ。